呪文みたいに長い名前のおとこのこが主人公。この長い名前がことある度に、読むことになるので、本当に呪文のような感じになる。本書でおもしろいのは、見返し。手書きの文章が繰り返し書かれている。実はこれ、本文と密に関係している。見返しから、作者の人を食ったようなユーモアが始まってる。
ジョン・パトリック・ノーマン・マクネシーはタイトル通り、いつも遅刻する。遅刻する理由があるのだが、先生には分かってもらえない。いや、誰だって分からない。バーニンガムお得意の路を歩いていると、動物に出あうといういつものやつ。でも、ジョン・パトリック・ノーマン・マクネシーって、ずいぶんと孤独に描かれているのが気になるところ。
いつもちこくのおとこのこ――ジョン・パトリック・ノーマン・マクネシー
原題 John Patrick Norman McHenessy – the boy who was always late
著者 ジョン・バーニンガム((c) 1987 by John Burningham
訳者 谷川俊太郎
発行 あかね書房、1988年9月