阿木譲氏のDJイング、GREEDY BUGS IN THE ARCHIVE VOL.1(1)

TALKIN LOUDレーベルだけで構成する2日間、8時間のDJイングの1日目に行ってきた。TALKIN LOUDレーベルと言ってもぼくは全く知らない。阿木さんのブログOblique Strategies(5月18日)に下記のように説明されている。

TALKIN LOUDというのは多くの人間がアシッドジャズだと誤解しているけれど、やはり核はアブストラクト・ヒップホップやドラムンベースで、それにソウルやガラージュやディープ・ハウスなどを横断し90年代後半のクラブシーンや時代を切り拓いてきた重要なレーベルだ。

90年代というのはぼくは音楽を全く聞いていなかった頃で、TALKIN LOUD もアシッドジャズもクラブシーンも知らない。60年代半ばから70年代はフリージャズ、70年代後半からパンクやニューウェイブ・ロック。それも80年代中頃には聞かなくなった。次に聞く音楽を見つけられない時にパソコンのMacと出会った。部屋に一人で籠るようにMacにのめりこんだので音楽はいらなかった。

90年代中頃というのは仕事がどんどん減っていき、ついに事務所をたたんで廃業に追い込まれる状態で音楽どころではなかった。人との付き合いも無くなるし、これではダメになると、阪神・淡路大震災のパソコンを使ったボランティアに参加したおけげで、外に出かけて人にも合うようになった。それをきっかけにインターネットを知ることになったので、音楽を聞く欲求はまだ起きなかった。

音楽を聞き出すのは2000年代に入ってから。阿木さんの nu Things が開店するのが2004年夏。ぼくにとってはとてもいいタイミングだった。nu Things のおかげで新しいジャズ、nu jazzの「The Five Corners Quintet」を知ることもできた。いまぼくは、フリージャズの時代を考えたくて、その前のハードバップを長い時間をかけて聞いている。

と言うわけで、90年代の音楽を知ることはぽっかりと開いた穴を埋めることになる。で、聞いてきたが正直良く分からなかった。nu jazz にくらべて洗練度や官能度が低い。ハードバップのインパクトもない。だから、聞いてすぐに反応できないのは無理もないと思う。時代的には音楽の重要な変わり目を担っているはず。もう少し聞いてみたい。

サイト、nu things のスケジュールには DJ に阿木さんの名前だけだが、実際には DJ TAIZO 氏と何回か交代しながらの4時間だった。二人のコンセプトの違いから、ガラリとサウンドが変わるおもしろさがあった。今までは阿木氏一人の連続4時間DJイングばかりを聞いていたので、今夜のカタチもいいかと思った。