主人公のおんなの子は、いつも一人ぽっちの孤独な子。学校ではいじめられたりもする。夜中に怖い夢で目覚めたり、弱いおんなの子。でも、アルドどいう名前の大きなウサギのようなともだちがいる。アルドのおかげで、おんな子はものすごく救われている。
ところで、人って、何時、アルドと別れるんだろう? 本書の訳者、谷川俊太郎氏はあとがきに、「わたしたち大人のところには、もうアルドは来てくれませんし、いつまでもアルドにたよっていては、現実にまわりに生きている他の人々とほんとうの人間関係はむすべないでしょう。」と言っています。
この意見にぼくはちょっと疑問を持ちました。大人になっても人はアルドを持ち続けるのではないでしょうか。例えば、スポーツカーとかヨットやバイク。ピアノやギターなど楽器。ときには人間関係の障害になるほどのものでなければアルドとはいえないかもしれない「アルド」を持っている大人は多いのではないでしょうか。ちなみに、ぼくの場合は、Macがアルドです。
アルド・わたしだけのひみつのともだち
原題 Aldo
著者 ジョン・バーニンガム((c) 1991 by John Burningham)
翻訳 谷川俊太郎
発行 ほるぷ出版、1991年12月