“BOB MARLEY AND THE WAILERS「CATCH A FIRE」”はボブ・マーリー率いるザ・ウェイラーズの 1stアルバム “Catch A Fire” の制作時のドキュメンタリー映像。GayOにて07年4月6日まで配信中。
“Catch A Fire” をリリース(1972年)するに至る話が当時の映像をバックに語られる。ウェイラーズがジャマイカでレコーディングしたテープをロンドンで、ミキシングして曲が出来上がるが、その過程の話がミキサー、スタジオミュージシャンによって語られる。とても興味深い話だ。当時のザ・ウィラーズはボブ・マーリー、ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラーのバンドで、ジャマイカではスターダムにのし上がっていたが、ロンドンで少し知られる程度、アメリカではほとんど知られていないバンドだったという。そんな、ザ・ウィラーズの音楽をロック・ファン、とくにアメリカのロック・ファンに聞いてもらえるようなミキシングした様子がテクニカルな面もふまえて証言されている。
72年、73年頃のロンドンでのライブシーンもあるが、すぐに証言がかぶさるので、ライブは堪能できない。映像の状態も良くないが、音楽フィルムとしては楽しめるもので、じっくりと見せてほしかった。たぶんジャマイカだと思うがリハーサル風景もあった。
しかし、ぼくがこのドキュメンタリー・フィルムに何よりも感動したのは、ボブ・マーリー、バニー・ウィイラー、ピーター・トッシュの話だった。
まずボブ、「ぼくは革命家だと思っている。音楽を武器に独力で戦っているんだ。」
バニー、「メッセージを伝え、旗を揚げ続けているんだ。」
ピーター、「ゲットーの99パーセントは貧困だ、ぼくたちもゲットーにいた。代弁しているんだ。」
誰か知らない老人、「彼らは愛を歌うのをやめて、真実について歌いはじめた。」
ゲットーのインテリか?、「丁寧を装った白人の暴力の存在がある。それは『失礼ですが』がで始まる暴力だ。』
など、見ながらメモしたが、正確ではないし、とても全てをメモできない。ま、ザ・ウェイラーズのメンバー始めジャマイカンからはこんな証言ばかりだ。そこに、なぜ歌うのか、なぜ聞くのか。音楽についての熱くて根源的な声を聞くようだった。