マイケル・ビダードとバーバラ・クーニーによるエミリー・ディキンソンの絵本/Emily

エミリー・ディキンソン(1830-1886年)はマサチューセッツ州に生まれ、同地で亡くなった偉大な詩人です。両親の家に住み続け、生前、ほとんど家を出ることなく生涯を終えています。死後、机の中からおびただしい数の詩が発見されたということです。さて、本書の主人公である少女が引っ越してきた家というのが、偶然、エミリーの向かいだったことからストーリーが始まります。雪に覆われた冬が終わり、春の兆しの見えたある日、お迎えさんに所望されて、母親がピアノを弾くためにエミリーの家を訪ねます。少女はその母親に付いて行き、隠遁者エミリーと会い、言葉を交わし、一遍の詩をプレゼントされます。

少女と詩人の出会いは、まるでドライフラワーの花びらのよう。まるで、触れると崩れてしまいそうな美しい出会いをマイケル・ビダードが作り出し、バーバラ・クーニーが入魂の絵を添えた極上の絵本です。春先、鉢植えの手入れをする頃、思い出したように読むことになります。

掛川恭子訳の日本語版(1993年 ほるぷ出版)も言葉がとても美しい。

Emily
by Michael Bedard
pictures by Barbara Cooney
Text copyright (c) 1992 Michael Bedard
lllustrations copyright (c) 1992 Barbara Cooney

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カテゴリー: 絵本