先日、フィリップ・ガレル監督の映画『秘密の子供』の感想文の中で、ベルベット・アンダーグラウンドやニコのことを阿木譲氏の『ロックマガジン』誌の付録のコミックで知ったと書いた。そのコミックはもう手元にないと思っていたら、そのブログを読んだカミさんがどこから出してきたのか、ぼくのデスクの上に置いてあった。
雑誌は消耗品と思っているので、『ロックマガジン』に限らず、読むはしから捨てていくので、古いものはなにも残っていない。ジョン・ケールに好意を持つカミさんが捨てる際にこのコミックを抜き取って保管していたらしい。
ROCKMAGAZINE COMICS
DESCENDANT
OF THE
SISYPHUS
STARRING:
JOHN CALE
10 AUG. 1976 VOL.5
(c) 1976 ROCKMAGAZINE COMICS
STORY & ART by IKUMI KOHAMA
COMICS EVERY OTHER MONTH
以上が表紙に書かれている文字の全て。ロンドンの音楽学校で正統なクラシック音楽を学んでいたジョン・ケールは、音楽理論に疑問を抱いてニューヨークへ留学する。そこでケールはジョン・ケージのコンサートに参加し、限りない音の反復を体験する。それが、シジフォスの神話になぞらえて、「シジフォスの末裔」となっているのだと思う。
ニューヨークはニューヨークで、アホとスノッブにうんざりしているところへ、ルー・リードと出会って、ヴェルベット・アンダーグラウンド結成へ向かう。ある日、アンディ・ウォーホルからファクトリーでの演奏を依頼され、ヴェルベット・アンダーグラウンドとニコが出会う。ニコとジョン・ケールは愛し合うが、ニコは去っていく。このコミックでは描かれていないが、ニコはフランスの映画作家フィリップ・ガレルと恋に落ちるはず。
フィリップ・ガレルの映画を見ることで、40年前のコミックがよみがえった。
こちらは、裏表紙。懐かしい『ロックマガジン』誌バックナンバー。創刊号から4号までの表紙が載っている。