作者のニキ・ダリーは1946年、南アフリカのケープタウンに生まれ育つ、と本書で紹介されている。アフリカの絵本はあまり見る機会がない。その色彩感覚がとても興味深い。アフリカ人のリズム感覚を日本人は真似ることができないと、よく聞くが、本書を見ていると色彩感覚も同じだと思う。
原色を多用したりしている派手な色使いばかりでなく、地味な色使いでもアフリカ特有の感覚が現れている。それと、衣服やお面などのアフリカの文様にも本書で触れることができる。
ストーリーは、「赤ずきん」を下敷きにしたもの、だからと言って「アフリカのあかずきんちゃん」なんていう副題を付けるのは余計なおせっかいだと思う。タイトルで説明しちゃうと、絵本は興ざめになるんだよね。しかし、主人公の女の子のサルマはほんと可愛い。
かわいいサルマ―アフリカのあかずきんちゃん
原題 Pretty Salma
作者 ニキ・ダリー(Text and Illustrations copyright (c) Niki Daly 2006)
訳者 さくまゆみこ
発行 光村教育図書、2008年1月
《このブログのアフリカを描いた絵本》
□The Lonely Lioness And The Ostrich Chicks
□かきねのむこうはアフリカ