いつもそばに犬がいた / ゲイリー・ポールセン著

アメリカの児童文学作家ゲイリー・ポールセンが飼い犬の思い出を書いた本。ポールセンは子どものころから始まって、非常に多くの犬と暮らして来た。その中から、特に思い出深い9匹の犬のエピソードが綴られている。

ポールセンと犬との関係は、犬を友としている。飼い主とペットの関係ではなさそうだ。犬を飼ったことのないぼくには、人間と犬との理解できな領域がありそうだ。でも、一般的な話しとして、感動的でほろりとさせられるものもあり、おもしろかった。犬好きなら、すごく面白い本に違いない。

第二次大戦後、7才のポールセンはアメリカ軍の軍人だった父のもとへ母親と二人で行っている。そこはフィリピンだから、占領していた日本軍の痕跡がまだ生々しく残っている。そんな戦場跡を飼い犬と友に徘徊している子ども時代も描かれている。

父親はアメリカ軍の基地を転々とする軍人なうえに、両親ともにアルコール中毒で、ポールセンはめぐまれた子ども時代を送くることはできなかった。いつも唯一の友が犬であったようだ。12才の時におじから、レミントン22口径のライフルをプレゼントされている。孤独な少年と銃との付き合いも犬と同様、深い絆がありそうだ。これもぼくには理解できない領域だが、アメリカにおける銃というものの意味を少し考えさせられる話しだった。

ゲイリー・ポールセンは本書が2冊目だが、ちょっと読み続けて行こうと思った。

いつもそばに犬がいた
原題 My Life in Dog Years
著者 ゲイリー・ポールセン(Gary Paulsen)
訳者 はら るい
絵 かみや しん
発行 文研出版、2006年7月

《関連記事=ゲイリー・ポールセンの著作》

投稿日:
カテゴリー: 読書