鈴木まもる / バサラ山スケッチ通信 ぼくの鳥の巣探検

2ヶ月ほど前に鈴木まもる氏の本を初めて見た。絵本『ぼくの鳥の巣絵日記』だった。絵本というよりも、自然科学の図鑑でもあるけれど、やっぱりぼくは絵本として楽しんだ。本書は絵本ではなくて、鳥の巣を優しく説明した自然科学の読み物。最初に数ページ、カラーのリアルで精緻な絵による鳥と巣の絵がある。本編にはモノクロのイラストが多数。このイラストがユーモラスで楽しい。本文の解説も単なる解説に留まっていなくて、楽しい。

ぼくの行動は大阪市内の極めて狭い範囲に限られているけれど、野鳥はけっこう見る。公園の他には、道頓堀川や木津川で水鳥をよく見かける。けっこう大きな水鳥が魚を狙って、川面を凝視していることもある。名前を覚える習慣がないので、スズメとカラスぐらししか自信をもって言えない。2年程前のことだが、真夏に麦わら帽子をかぶって街中のウォーキング中、カラスにからかわれたことがある。信号機に1羽のカラスが止まっていて、その下を通って少し行ったら、後ろからぼくの帽子をめがけて飛んできたんだろうな。いきなり、帽子に脚をかけて、そのまま前方に飛び去って行った。あれは、ほんとうに腹が立った。

ある年の秋のこと、うつぼ公園のベンチでまどろんでいた。風の強い日で、落ち葉が舞っていた。ひときわ強い風が吹いて、クスノキから無数の葉が飛び散ったように見えたのはスズメの大群だった。うつぼ公園はスズメが多かったけど、最近はあんな大群を見ることはない。その時思ったんだけど、クスノキの大木からスズメの群れが飛びたったと見えたのは、風に吹かれた枯葉で、スズメなんてもう何年も見ていない・・・なんて時代を夢想して、またベンチでまどろんだ。

バサラ山スケッチ通信 ぼくの鳥の巣探検
作 鈴木まもる
発行 小峰書店、2006年10月

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カテゴリー: 絵本