2007年2月1日の朝日新聞朝刊文化欄に「個性薄れ落ち込む部数 現代雑誌事情」という下げ止まらない雑誌発行を分析する記事があった。そこにある折れ線グラフを見て、正直驚いた。減少の実感はあったけど、すごい落ち込みだ。考えてみたら、ぼく自身が雑誌を全く買わない状態がもう半年以上続いている。小学生の頃から発行日を心待ちにしている雑誌が数冊あった。あの頃の発行日を待つ、ワクワクした気持ちを今でも覚えている。テレビのまだなかった時代だから、ワクワク感は余程強かったに違いない。
ピークはマガジンハウス系雑誌が出た70年代だと思う。「POPEYE」、「anan」、「流行通信」などのビジュアル編集のものから、「ユリイカ」とか「美術手帖」、それから松岡正剛氏の「遊」、阿木譲氏の「ロックマガジン」。コミックも買ってた。「週間アクション」、「少年ジャンプ」、「少年マガジン」。不定期に買う雑誌もあったので、本屋さんへ行くと必ず数冊の雑誌を抱えていた。
そのうち、マックを使い始めてからは雑誌購入が激減する。もう、雑誌を読んでいる暇がなくなった。マック関連雑誌やコンピュータ雑誌の比重が増し、それもこの数年は買ったり、買わなかったり。最後まで残っていた定期購読誌はWeb関連誌だったが、それも買わなくなって半年というわけ。Web関連誌に限っても、掲載されている情報量が多すぎて、とても月々に処理しきれない。後で必要になるだろう、と本棚に並べても、必要な時に情報を捜すのに時間がかかりすぎる。必要な知識は単行本に頼ることにした。
雑誌は中毒だったような気がする。禁煙して20年ぐらいになるが、3年間は努力が必要だった。その間はあめ玉をしゃぶったりしていた。それに比べたら、雑誌離れはなんかあっけない。今回のあめ玉はネットであることに間違いない。
記事には雑誌に携わる人々の意見が紹介されている。その中でぼくが一番に反応したのは、電通で19年間雑誌を担当したメディア評論家の吉良利彦さんの意見だ。「かつては『他人が読むから自分も読む』だったが、今は『他人とは違う自分』が全面に出て雑誌の選択につながっている」、という話に納得。