昨夜の今ごろは大阪本町の nu things にて阿木譲氏のDJ「Hard Swing Bop」を聞いていた。出がけには暖かかった天気が一変して、冷たい強風が雨をともなって、窓を打ってきた。このシリーズは全て聞いているので、やめるつもりはない。雨が小やみになるのを待って出かけた。行っただけの収穫は必ずあるのがこの「Hard Swing Bop」シリーズだから。
56年前後のハード・バップをマイルスを中心に聞かせて、60年代に突入した。一言で、いままでになく、ファンキー色が濃厚だった。ファンキー・ジャズといっても、ゴスペル度の濃い曲はない。56年から57年、ハード・バップは最盛期を迎えるが、以後、60年代に向かって演奏はファンキー・ジャズと新主流派と呼ばれるジャズに分化していく。しかし、どちらも、根っこの部分はしっかりとハード・バップであったことを確かめるかのような、DJイングだった。
ファンキー・ジャズとして超有名なジミー・スミスのオルガンだって、実はハード・バッパーなんだって分かる選曲だった。ジミー・スミスの他、マイルス・デイビス、アート・ブレーキーなど有名ジャズ・メンとともに、全く知らなかったフレッド・ジャクソンやハロルド・ビックなどがその中に交じることで、60s前半の多彩なハード・バップ・シーンを感じることができた。
しかし、この夜の鍵はジャッキー・マクリーンだと思う。彼は、ブルース・フィーリングをにじませながらも、とても都会的なサウンドだ。この夜は、2枚目と最後だった。実は、中程のハンク・モブリーの『Hi Voltage』にはマクリーンが入っている。ここと最後のマクリーンのプレイはファンキー・ジャズの中にあって際立っていた。ジャッキー・マクリーンの再認識がこの夜の収穫か。
・Donald Byrd / All Night Long / recorded 1956
・Jackie McLean / Alto Madness / 1957
・Miles Davis / ? / ?
・Miles Davis / Dig / 1951
・Miles Davis / Cookin’ / 1956
・Miles Davis / Workin’ / 1956
・Miles Davis / And The Modern Jazz Giants / 1956
・Art Blakey / Holiday For Skins / 1958
・Art Blakey / ? / ?
・McCoy Tyner / Tender Moments / 1967
・Horace Silver / The Cape Verdean Blues / 1965
・Duke Pearson / The Right Touch /1967
・Art Blakey / Buhaina’s Delight / 1961
・Art Blakey / Moanin’ /1958
・Hank Mobley / Hi Voltage / 1965
・Kenny Dorham / Round Midnight At The Cafe Bohemia / 1956
・Jimmy Smith / Plain Talk /1960
・Lou Donaldson / Good Gracious /1963
・Fred Jackson / Hootin’ ‘N Tootin’ / 1962
・Harold Vick / Steppin’ Out / 1963
・Jimmy Smith / Crazy Baby / 1960
・Stanley Turrentine / A Chip Off The Old Block / 1963
・Bennie Green / Soul Stirrin’ / 1958
・Jackie McLean / Destination Out / 1963