アルツハイマー病の人と話す

二日前に抜歯した後の消毒の日だった。「まだ、腫れてますね、薬は飲んでますか?」と言われて、「飲んだり、飲まなかったり・・・」と答えたら、先生におこられた。1日3回服用の薬を2回では効果がないそうだ。特に抜歯後は薬の服用で、腫れがおさまるのだ、という。痛みもないので、警戒感がなかったと反省。

さて、この正月の一日は、アルツハイマー病と診断された人のお話相手をした。正月とお盆と年に2回で数年になる。ぼくにはこれぐらいしかできないので、もう少し多く行くべきかな、と思った。5月の連休も予定に入れようかと思っている。半年ごとに会うと、ゆっくりとだが、病状は進行しているのが分かる。もう、ぼくが誰なのか分かっていないが、過去のことはすごく細かい内容にまで言及する。同じ話を何度も何度も繰り返す。こちらは、それに相づちをうちながら、ニコニコとひたすら聞く。

しかし、会う度に過去の一時期の内容が違う。前回しゃべったから、今回は別の時期の話にしよう、ということかもしれない。しかし、そうでもなさそうだ。記憶のつまった脳細胞が部分的に機能しなくなっているような、リアルな感じを目の当たりにするようで怖くなる。

昨年の後半に、NHK大阪で発達障害の特集があった。数ヶ月をかけて、取材し、定期的に放映するという大型企画だ。これを見ていて、非常に興味を持ち、インターネットで読めるものを読んでいる。こちらはアルツハイマー病と違い、先天的な機能障害だ。広く話題になっているのは、児童の多動性障害(ADHD)だが、これも発達障害の一つにすぎない。他にはアスペルガー症候群と呼ばれる発達障害もある。この障害の特徴は人間間のコミュニケーションに現れる。アルツハイマー病の人と話をしていて、アスペルガー症候群の説明を思い出した。こんなことをしていると、だんだんと脳に対する神秘性がなくなっていく。

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カテゴリー: 生活