リスベート・ツヴェルガーのホフマンの絵本1/DAS FREMDE KIND(ふしぎな子)

リスベート・ツヴェルガーの1977年に挿絵を書いた第1作。絵にはすごみみたいな気迫がみなぎっている。色使いは後期の明るさからは想像できない暗さだ。幻想性がページからわき上がってくるようだ。ドイツ語版を見ていて、絵だけを楽しんでいたが、ストーリーは種村季弘訳で読んだ。こちらのタイトルは「見知らぬ子ども」だ。「ふしぎな子」は矢川澄子訳のこの絵本の日本語版のタイトルだ。
本書の表紙はChildscapes.com の Lizbeth Zwerger ページで見ることができる。一番下「The Strange Child」と紹介されているのがそれだ。

田舎の貧乏貴族の子、兄と妹が主人公。ある日、都会からおじさん、おばさんといとこたちが食事に来る。いとこたちは田舎の子らにおもちゃや人形をプレゼントする。二人は少し遊んだだけで、それらのおもちゃを捨ててしまうが、そこから見知らぬ子どもが二人の前に現れる。それからは毎日のように三人で森を舞台に遊ぶのだが、見知らぬ子どもは兄妹を幻想の世界に連れ出す。

ツヴェルガーが第1作にホフマンのこの物語を選んだのは、少女の頃からの愛読書だったに違いないと、勝ってに想像している。

DAS FREMDE KIND
E. T. A. Hoffmann
Illustrated by Lisbeth Zwerger
Hermann Schroedel Verlag AG, Basel
1977

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カテゴリー: 絵本