去年の秋に atomic のファーストアルバム「feet music」をジャケ買いしてから、聞くほどに好きになって3枚目を買いました。「feet music」は2001年、次作がこの2002年録音の「boom boom」です。2回目に買ったのは2005年に出たライブレコーディングを編集した「Atomic the Bikini Tapes」。
この2枚目はファーストアルバムに比べて、無駄なサウンドがそぎ落とされて緊張感が増しているようです。ライブ盤はグルーブ感がたまらなくて、とても好きですが、アルバム「boom boom」は同じ曲でもしまった感じがして、こちらはこちらで聞きごたえがあります。最近は、フィンランドのクラブジャズ的な The Five Corners Quintet よりも、ノルウエーのこの atomic のフリージャズを聞くことが多くなりました。
ぼくは1960年代から70年代にかけてフリージャズをリアルタイムに聞いていたので、なじみやすいのかもしれません。でも、60年代のフリージャズと atomic は違うと感じています。atomic のサウンドは思索的であり、冷静です。60年代はすべてを破壊つくすエネルギーがジャズでした。そう、ジャズそのものも破壊する衝動にかられたパフォーマンスだったと、今振り返って思います。atomic のフリージャズはそんな60年代フリージャズとは無縁だと見ています。
atomic のジャズは50年代のハードバップの直系だと思って、ぼくは聞いています。これは The Five Corners Quintet にもいえることで、これら北欧のミュージシャンのおかげで、50年代のニューヨークのジャズを聞くことがとても楽しくなっています。
atomic は来月の2月に新宿 PIT INN でライブがあるんだよね。行きたいけど、余裕がない・・・。
atomic “boom boom”
Fredrik Ljungkvist, tenor saxophone, Bb Clarintet
Magnus Broo, trumpet
Ha°vard Wiik, piano
Ingebrigt Ha°ker Flaten, bass
Paal Nilssen-Love, drums and percussion
Recorded Oslo, Norway, on June 27 & 28, 2002