フーさんシリーズの2冊目を読まないで、この3冊目を読んでしまった。2冊目の登場人物が登場するので、やはり順番に読めばよかったと後悔。1冊目では森の中に住んでいてフーさんだが、そこに高速道路が通るために立ち退き、町に住むことになったフーさんのお話が3作目。
貨幣概念のないのは今まで通り、食料をお金を出して購入するというシステムが理解できない。アパートに住むことになったけど、背が低いのでエレベータのボタンが押せない・・・などなど、フーさんが街で暮らすのは大変だ。そもそも街が嫌いだ。
一応、魔法使いの末裔なもので、困難に遭遇しても何とか切り抜けていく。でも、フーさんのまわりって、部屋に住みついているネズミの一家とかアパートの壁に住んでいる壁怪物なんだから、ちょっとした幻想小説でもある。慕ってくる子どももどこかけったいだったりするので、この小説から寓話的な要素を探ろうという欲求が起こるかもしれない。
でも、このシリーズの場合は、寓話物語として読んでしまっては身も蓋もないと思う。読み始めは子どもっぽいな~と思いつつも物語に没入すると、これがなかなかなもので夢中で読んでしまった。
フーさん引っ越しをする
著者 ハンヌ・マケラ
訳者 上山美保子
発行 国書刊行会、2008年2月
《このブログの関連記事》
□フーさん / 子どもに人気のハンヌ・マケラ著フィンラドの児童書