JAZZ LAB(vol.4)in Kyoto@le club jazz

20日はJAZZ LAB(vol.4)in Kyotoを聞きに京都まで行った。ぼくには珍しく遠出となった。地下鉄以外の電車に乗るのは何年振りというぐらい。というのもFujiokaさんの企画だからどうしても行きたかったわけ。去年の堀江音楽祭の最終日のジャズのイベントに感激したけど、それがFujiokaさんのプロデュースだったんだ。そしてJAZZ LABだけど、それぞれに個性のある6つのバンドが出演した。

翌朝チェックを受ける仕事を残しての京都行きだったので、最後の内藤大輔カルテットを聞かずに会場を出た。5つのバンドを聞いたが印象に残ったのは山田友和の「トラベルジャーナル」と早川惟雅トリオだった。

「トラベルジャーナル」はフリューゲルホルンとトランペットのリーダー山田友和、ピアノの杉山悟史、ヴォーカル川本睦子のトリオ。ここでのヴォーカルは楽器奏者と同等にプレイしていることあ新鮮だった。ときにフリューゲルホルンとヴォイスが同等にプレイしているところにハッとするような瞬間があった。

全曲オリジナルでメンバーの川本睦子のヴォーカルも日本語というのがよかった。例えば、曲のタイトルだって「神崎川」だよ。フツーはかっこいいタイトルを考える。ぼくの大好きなコミックに岡崎京子の『リバース・エッジ』ってあるけど、これってカッコいい。

でもね、山田友和のナンバーを聞いたら「神崎川」でなきゃダメだって分かる。和風な湿り気のないサウンドだから、「神崎川」ってタイトルがとてもカッコ良くなる。彼らのプレイを聞きながら、ぼくは70年代に聞いていたヨーロッパのフリージャズ「ICP(Instant Composers Pool)」レーベルに参加していたミュージシャンを思い出していた。ICPのサウンドはハードバップから距離を置いたところにあると思ってる。

ぼくはジャズの魂はハードバップにあると思っている。ハードバップから距離をおいてもなおかつジャズだっていうのはけっこう難しいことじゃないだろか、なんて素人が誤解を恐れずに言ってしまう。ちょっと前までファイブ・コーナーズ・クインテットなんかの北欧ジャズを聞いてたけど、あれの根底にはやっぱりハードバップがあると感じている。だから同じヨーロッパでもICPとは違う。つまり、ICPや山田友和のサウンドはとても知的だということ。

逆に早川惟雅トリオの早川惟雅はそこにハードバップが立っていると感じるぐらいハードバップの魂がカタチになっていると感じた。と言ってもずぶずぶの50年代サウンドじゃない。やはりここにも湿ったブルースフィーリングは希薄だった。乾いているから今のサウンドウとして楽しめるんだと思う。

ぼくは楽器も歌うことも全くないので、テクニックとか音楽理論なんて全く分からない。ひたすら聞くだけの人なんで、早川優雅からハードバップを聞いてるって言ってもそれは、感覚的なところを指している。その感覚的な部分だけど、彼のそれは努力とか勉強とかから別次元で “ジャズ” をしてると感じた。もちろん努力や勉強をしてるからあれだけのプレイができてるに違いないけど、それだけではできないことを演ってると感じて、ムチャ感動した。

彼を初めて聞いたのは今年の2月、本町のヴィアーレ大阪の「World Jazz Caravan」だった。あの時も良かったけど、JAZZ LABはその夜よりもさらに良かった。あの2月のとき、楽屋から出てきた彼に「キミ、名前何て言うの?」って聞いたんだよ。それがずいぶんと昔のように感じられる。

投稿日:
カテゴリー: Music