ネコ絵本の傑作。ニコラ・ベイリーはネコの登場する絵本をたくさん出している。しかし、本書が一番いいかも。絵はすごく写実なんだけど、ネコの毛の一本一本が表現されているようで、質感がすごい。本書の場合は主人公のネコ、Tabbyが愛用するパッチワークのキルトの表現にほれぼれする。
朝食後、Tabbyが昼寝をしようとすると愛用のキルトがない。飼い主の母さんが、古くて汚れているから、新しいバスケットを買ってあげるというが、Tabbyは不満。裏のゴミ缶からキルトを見つけて引っぱり出そうとしてゴミ缶がころげて、ゴミに埋もれてしまう。そこへゴミ回収車が着て、Tabbyも一緒に回収されてしまう。
不慣れな土地で陽が暮れていく不安。そしてネズミたちの中で過ごす夜。愛用のキルトを引きずって、ヨタヨタと早朝の街を歩くTabbyだった・・・。
1981年に出版されている。当時は大変な人気らしくて、書店の洋書コーナーにはどこでも平積みされていた。その頃に買ったハードカバーを今でも持っている。何度何度も読んだ絵本だけど、久しぶりに捜しだして読んだ。特に気に止めていなかった原作者だったが、それがウイリアム・メインと分かったからだ。先日、同作家の児童小説『砂」を読んで、ネットでいろいろと調べていたら『The Patchwork Cat』の原作者であることを偶然知ったわけ。
The Patchwork Cat
Text by William Mayne
Illustration by Nicola Bayley
First published 1981