仕事はWeb制作だが、DTPも経験しているので、使用したソフトウェアは多い。その中でも、Flash が一番てこずった。Flash以外のソフトは共通する手順があったけれど、これには全くないという印象だった。それは、ActionScriptを使わないレベルでの話でこれなんだら、ActionScritpも含めると、そりゃー大変だった。もともと、グラフィック・デザインの側からWeb制作に入ったので、プログラミングは最難関のハードルだった。HTMLの習得さえ、何度かの挫折を経験している。
その頃、ビル・ゲイツが来日して東京のどこかの大学で講演を行っているのをテレビで見た。学生相手にゲイツ氏は、プログラミングを始めるなら若いときからだ、と言う。例えば、50才から始めても習得はおぼつかない、というようなことを言っていた。ぼくはその時はもう50才を越えていた。少しはショックだったけど、ゲイツ氏に言われなくても、もっともな話だと思っていたから、大きなショックではなかった。Perl や PHP をマスターしようなんてことは考えていなかった。せめて、SCCとActionScriptはなんとかしたい、という思いだった。
「Flash 5」のときに ActionScritpt の勉強を始めるが、何冊かの解説書にあたって、本書が一番相性が良かった。といっても、一度読んで理解できたわけではない。とにかくこの本は何度も読んだ記憶がある。今でも、本書を引っ張り出すときがある。ぼくの場合は、いつも、Flash データを作っているわけではない。2、3ヵ月は Flsha を使わないなんて状況も珍しくない。そういうときは、頭の中でFlashのウォーミングアップをしなければならない。そんなときに本書を拾い読みする。メソッドとかプロパティとか今でも確認している。ActionScriptの基礎部分の習得に最適な解説書だと思っている。
なお、本書は Flash5 のリリースにあわせて出版されたもの。本書の「続編」があるが、それは、Flash5 の次のバージョンである Flash MX にあわせて更新したものではなくて、MX で変わった部分のみに焦点をあてた別の解説書。本書と続編は併読するものと、続編の最初に書いてあった。
macromedia FLASH ActionScriptバイブルfor Windows & Macintosh
著者 上野 亨
発行 オーム社、2000年12月