FLOTSAM / デイヴィッド・ウィーズナーの絵本

Flotsam (Caldecott Medal Book)David Wiesner 著(Clarion Books、2006年発行)

日本語版は『漂流物』というタイトルで出ているが、この絵本も文章はない。両親と海岸へ遊びに来ている少年の話。彼は科学少年といった感じで虫眼鏡から双眼鏡、そして顕微鏡まで持ってきている。波打ち際の彼の前に一台のカメラが漂着する。漂着物とは分からずに落とし主を探すが見つからない。

現像屋さんに走って、できあがるのを待つ。出てきた写真には海底の驚くべき風景があった。そして海岸で写した東洋の少女。彼女の手には一枚の写真が掲げられている。それをじっと観察した少年は、自分もまた同じように写真を掲げてシャッターを押して、カメラを海に戻す。

カメラは、長い長い旅をして、今、とある海岸で少女に見つけられた・・・。ウィーズナーのいつもの空中に漂う浮遊感が、この絵本では時間の浮遊感となっている。

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カテゴリー: 絵本