21日の “WIGHNOMY BROTHERS Japan tour Osaka” に行ってきた。二人組の Wighnomy Brothers だが、Robag Wruhme が病気で来日できず、Monkey Maffia 一人のDJだった。YouTubeを見ていると、動きの少ない Robag Wruhme の方がエキセントリックな凄みがあるので、来れないのはすごく残念だった。Monkey Maffia はYouTubeの動画で見る通りの陽気さで、フロアーを盛り上げてくれたんで満足。
この日を楽しみに iTunes Store からシングル盤を買ったりしていた。アルバムはミニマルなサウンドだったが、DJはビートにインダストリアルなノイズをかぶせるアクティブな展開でムチャのせられた。数日前は2日続けて徹夜同然のハードスケジュールで、ぼくはすっかり腰を痛めていた。治りかけているとはいえ、不安を抱えてクラブへ行ったので、最初はおそるおそる身体を動かした。
でも、あのビートにはたまらず、ハードに身体を動かしてバテてしまった。3時すぎから Monkey Maffia のプレイが始まったが、5時を過ぎた頃から、ミニマルなサウンドが主体になった。その頃は満員だったフロアーもザーっと人がひいて、少ないオーディエンスだけという抜群の雰囲気が展開。それが7時までたっぷりと続いた。ちょっとの間だったけど、ミニマルビートにサックスのフリー・インプロビゼーションが被さる。30年前のフリージャズ・ファンのぼくは戦慄的興奮を噛み締めた。
80年代、パンクロックからニューウェイブを聞いていたぼくは、当然、テクノの始まりのクラフト・ワークやYMOを聞くが、好きになれなかった。その頃はイギリスのインダストリアル・ミュージックのスロッビング・グリッスルが好きだった。Monkey Maffia のサウンドにスロッビング・グリッスルを思い出していた。20年前、グリッスルを聞いていた頃は、ノイズの交じる大音量のビートに合わせて身体を動かすなんて考えもしなかったので、ホント、幸せを感じるよ。
なぜ、クラフト・ワークが聞けなかったんだろう。清潔感だと思う。リアルな生活から遊離した無菌室のようなスタイリッシュな世界観に距離を感じたんだと思う。インダストリアルなサウンドは生活感があって、素直に没入できる。こんなサウンドで盛上がっている場は決してスタイリッシュとはいえない。でも、クールな場だったと思う。Monkey Maffia の人間臭さいプレイがとてもクールなフロアを創り出していたんだと思う。