オールド・ルーキー / 実在の大リーガー、ジム・モリスを描いた野球映画

2002年アメリカ映画、ジョン・リー・ハンコック監督。野球映画は無難に楽しめていい。本作品もそんな野球映画のひとつ。35歳のテキサス州の高校教師、ジム・モリス(デニス・クエイド)は野球部の監督をしている。こどもの頃からの野球少年で大リーグを目指してしたが肩を壊して選手になることを断念している。しかし諦めきれず、夜中に一人でピッチングをしている。ある日、チームのキャッチャーが彼の練習を知って、人間相手に投げてみないかと誘う。思いきって投球すると、思った以上のスピードボールだった。

ふがいない連敗で選手たちに夢を諦めるな、とはっぱをかけると選手の方から監督だってと言われる。結局、高校のリーグ戦で地区優勝をしたら、プロのテストを受けることを生徒たちと約束する。生徒たちは連戦連勝を重ねて地区優勝を達成する。モリスは約束通り、プロのテスト会場にかけつける。カミさんの留守中に8歳の男の子を筆頭に3人の子どもを(末っ子は乳母車)を連れての参加だから微笑ましい。

長男は父親を尊敬していて、高校のチームの試合にはユニホームを着てベンチに入る可愛いガキだ。その長男にもう帰ろうと弱気になる。末っ子のおしめを換えていたらテストの順番がまわってくる。テストを仕切っているのが昔の知人でスカウトをしている。誰かの付き添いか、なんて軽口をたたいていたが、モリスが豪速球を投げるのを見て真剣になる。テストが終わって、「中年の選手を推薦したら笑われが、150キロ台を投げる選手を報告しなかったらこっちが首になる」と、後日コーチ陣を前に投げてもらうという。

テストは合格してカミさんの許可も得て、マイナーリーグと契約する。マイナーリーグの移動はバスだ。リリーフとして活躍するが、中年にはきついマイナーの生活だ。くじけそうになるがカミさんに励まされてがんばる。ある日、監督室に呼ばれるとメジャーへの昇格だった。すぐに飛行機で転戦先の球場へ向かうように指示される。このあたりのことは昨シーズンのメジャーリーグをテレビで見ていたからよく分かる。

結局、ジム・モリス投手は2シーズンをメジャーで活躍したそうだ。野球映画というと家族愛の映画でもあるが、この作品もそうだ。野球を通すと父と子の絆が描きやすい。ぼくの好きな野球映画は、ケビン・コスナーの『さよならゲーム』。コスナーはメジャーからマイナーに落ちてきた中年のキャッチャー役。これには今ほどまだ有名でなかった、スーザン・サランドンと若手の投手役でティム・ロビンスが出ていてムチャおもしろい。次はロバート・レッドフォードの『ナチュラル』。これも中年スラッガーの活躍だった。本作も中年選手ものでいい線まで言ってるが、家族愛があまりに全面に出ているので、『さよならゲーム』と『ナチュラル』のレベルにはない。

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カテゴリー: Movie