2007年6月2日、21時から5時の nu things のイベント「On The Spot」のイベントは最初は行くつもりがなかった。ニクラス・ウインターは知らなかった。
バンドリーダーとして、又レーベル主催者として、世界中で活躍するマルチオーガナイザー。ジャジー且つ叙情的なギタープレイは絵画のように北欧の景色を描き出す。
主催者の公式サイトで上記のように紹介されているのを読んだとき、ぼくみたいな24時間中仕事に追われているワーキングプアーには関係ない音楽だと思った。ハヤリの北欧家具に囲まれた知的階層の音楽だと思った。ユッカ・エスコラだって、リーダーアルバムとファイブ・コーナー・クインテットのCDは早くから持っていて、あのラウンジ系というかクラブ系のグルーブ感にはちょっとアキてるのね。
それが、行くことにしたのは数日前の阿木譲氏のDJイングで、氏から強く勧められたことと、native が参加すると聞いたからなんだ。行ってよかった。これまで、忘れられないライブはいくつかあるけど、この夜のライブもそうなるはず。ありがとう阿木さん。
で、なぜ native が参加するから行きたくなったかというと、2006年2月22日の nu things でユッカ・エスコラと辰巳哲也クインテットのライブの1stステージが native で彼らにしてはテンションの落ちるプレイだった。だから、ユッカの来る今度のライブは間違いなくいい演奏を聞かせてくれるはず、と勝手に思い込んだ。ライブの順番も native の会場入りの都合で、native が最後になった。これが良かった。
さて、23時前に会場に入ると、辰巳哲也(tp)とユッカ・エスコラ(tp and flh)がフロントのQuintet Worldwideのライブが始まっている。行儀の良い端正なハード・バップという印象。はっきり言ってカタチを意識しているようで固い。(つづく)