「日本のみなさんへ」という著者の一文と、子どもの著者と愛犬が写っているとてもほのぼのとした写真が載っている。捨てイヌをひろい、飼わせてもらったイヌだと書いてある。本書はベンジーというイヌが主人公の絵本。この絵本の持ち味は1920年カナダ生まれの著者のほんとうにあたたかい絵にある。もちろん、絵と共にストーリーもあたたかい。
ベンジーは家族みんなに愛されているが、おばさんがテイリーというオウムを連れて遊びにきたときから話が始まる。テイリーの得意技は、なんと「ワンワン」とイヌの鳴きまねなんだ。これにはベンジーがすねてしまう。あんまり「ワンワン」と吠える(?)ので、近所中のイヌというイヌが庭に集まってきたので、父さんは「みんな、うちへ帰れ」と怒るからおかしい。
しかし、お話はベンジーがテイリーのお友だちを見つけるというお手柄でハッピーエンド。 マーガレット・ブロイ・グレアムはほかにも見たくなる。以下の本がある。
1952年『あっ おちてくる ふってくる』(あすなろ書房)
1953年『あらしのひ』(ほるぷ出版)
ほか、ジオンとの共著『どろんこハリー』(福音館書店)、『さとうねずみのケーキ』(アリス館)、『ジェフィのパーティー』(新風舎)
ベンジーとおうむのティリー
原題 Benjy and the Barking Bird
著者 マーガレット・ブロイ・グレアム((c) 1971 by Margaret Bloy Graham)
翻訳 わたねべてつた
発行 アリス館、2006年5月