小学6年生のネット体験を描いた 長谷川集平著 / デビルズドリーム

小学6年の女の子二人の友だち同士が、ネットに二人だけがアクセスできる掲示板を持っている。二人は学校やほかで、直接話しをするが、二人だけのネットでの会話も楽しんでいる。その秘密の掲示板の名前が「デビルズドリーム」だ。

ぼくは小学生がネットをするって、どんなんかなと思って興味本位で読んだ。大人の書いた小説だから、実際はどうか分からないが、リサーチもしているに違いない。たぶん、こんな感じで間違いないと思わせる説得力がこの小説にはある。それに、この二人のネットに対する感性は、実際の多くの大人のネットに対する危うい感性と余り変わらないので、たぶん、これで間違いないと思う。

両親が離婚して、東京から母親のふるさとである長崎にやって来て、母と子の二人暮らしだ。原爆の長崎。キリシタンの長崎。「デビルズドリーム」のともだちはキリシタンだ。女の子は地元の歴史を肌で感じて成長していく。そして、「掲示板」の危うさにも気づく。現実の世界では、きづかない大人がたくさんいるので、この子たちは大人以上に大人かもしれない。なんたって、父親の浮気を母親よりも先に気づいたと自負しているんだもん。

デビルズドリーム
作者 長谷川集平
画家 前田秀信

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カテゴリー: 絵本