子ネコが一人で初めてそとに出て行く話。野原や森の自然に初めて触れる驚きと喜びを描いている。でも、一番楽しいことは、ハリネズミの子どもとの出会い。とてもストレートなストーリーの絵本。ぼくはフランカンの絵に興味を持って、この絵本を読むことになったんだ。大胆なタッチの絵で、色彩がとても美しい。野原や野原の緑、花のいろいろな色がストーリー同様にのびのびとストレートに彩色されている。
ジェラール・フランカンの絵本はこれが3冊目なんだが、全て絵が違う。最初は『つきにでかけたおんなのこ』、これは作と絵がともにフランカンだった。絵もストーリーもすごくよくて、すぐに好きになった。次に『ミシュカ』を読んだが、これはフランスの古典的名作絵本の復刻みたいなもので模写らしいから、本人のタッチとは違うのだろう。
本書も『つきにでかけたおんなのこ』とはずいぶんとタッチが違うが、どこかほのぼのとした感じは共通している。もう一冊、『とってもコブタなナニーとノノ』がある。これは線画に彩色したもので、全く違うタッチの絵だ。ジャラール・フランカンはいろいろなタッチで絵を描く人らしい。
はっけん・はっけん 大はっけん!
作 アンヌ-マリ・シャプートン
絵 ジェラール・フランカン
訳 末松氷海子
発行 偕成社、1998年3月