ジェラール・フランカンの絵本 / つきにでかけたおんなのこ

いつも、ぼんやりしている女の子が主人公。彼女がぼんやりしていると、家族は「また、お月さまにいるのね」と言う。まず、これが面白いよね。ぼんやりしている、つまり「心は月にある」なんて、とてもいい着想だよね。しかし、彼女は家族みんながあんまり、月、月、と言うので、切れてしまう。それらならほんとに月に行くわ。

満月を待って、スリッパや寝間着、ふとん、お人形にトランプなんかを窓から月に向かって放り投げる。つまり、引越を先にすませて、次の満月を待って、月にはしごを掛けて、上っていったんだ。いつも女の子と一緒の飼い猫は、勇気がなくてついていかなかった。

月では、月の人とお友達になったりで、毎日を楽しく暮らすけど、ある日、家の中を覗くと、家族は心配している。飼い猫はごはんも食べていない様子に胸をうたれて、家に帰るというお話。

ほのぼのとしたストーリーのアイデアがたまらなくいい。絵もほのぼのとしていて、これもまた素晴らしい。そして、女の子の友だちの飼い猫がとても良く描かれている。

つきにでかけたおんなのこ
作 ジェラール・フランカン
訳 堀江俊幸
発行 フレーベル館、1999年9月

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カテゴリー: 絵本