ラッセル・E・エリクソン作、ローレンス・ディ・フィオリ絵の「ヒキガエルとんだ大冒険」シリーズの1冊目。本書は1982年刊行されたものの改訳新版(2008年2月発行)。たぶん人気シリーズなのだろう。読むとそれもなるほどと思った。
主人公は掃除好きのウォートンと料理好きのモートンの2匹のヒキガエル。この2匹、コンビで快適な生活をおくっている。本書は冬の戸外へ出たウォートンがミミズクに捕まるが、最後に二匹はともだちになるというお話。
ミミズクは捕まえたヒキガエルを1週間後の自分の誕生日に食べるつもりで、巨木のウロの巣の中でウォートンを自由にさせている。ウォートンはそれを知らされているので気が気でないが、マイペースなひょうきん者で、ミミズクとお茶をしながら、おしゃべりを楽しんだりする。孤独なミミズクだったが、次第にウォートンに心を開いていくところが、エリクソンの筆力だろう。読後、とてもほんわかした気分に浸れる。
ヒキガエルとんだ大冒険 1 火曜日のごちそうはヒキガエル
作 ラッセル・E・エリクソン
絵 ローレンス・ディ・フィオリ
訳 佐藤凉子
発行 評論社、2008年2月
《このブログの「ヒキガエルとんだ大冒険」シリーズ》
□ヒキガエルとんだ大冒険5 ウォートンとモリネズミの取引屋
□ヒキガエルとんだ大冒険4 SOS!あやうし空の王さま号
□ヒキガエルとんだ大冒険 3 ウォートンのとんだクリスマス・イブ
□ヒキガエルとんだ大冒険2 消えたモートンとんだ大そうさく