『マイルスを聴け!』の著者であるジャズ評論家の中山康樹氏のトーク・イベントを予約した。企画はジャズやねん関西でイベントタイトルが「マイルスの夏、1969」。
「あの名盤『ビッチェズ・ブリュー』が誕生した1969年夏をテーマに、ジミ・ヘンドリックス、テオ・マセロ、ギル・エヴァンス等との密接な関係を解き明かし、さまざまな側面から、マイルスと『ビッチェズ・ブリュー』の知られざる真実に迫ります。」
と公式サイトにある。そっか~、『ビッチェズ・ブリュー』は69年録音なんだ。ぼくは60年代後半から70年代はフリージャズにどっぷりと浸かっていたんで、その頃はマイルスを真剣に聞いていない。当時は輸入盤専門のレコードショップに通いつめて、新しく入荷したフリージャズのアルバムを買っていた。『ビッチェズ・ブリュー』がショップの棚に飾られていたことをよく覚えている。なんたってあの妖しいジャケットだったし。
でも『ビッチェズ・ブリュー』を真剣に聞くことはなかった。フリージャズファンとしてはロック寄りになったサウンドということで、受け付けなかったんだ。フリージャズファンは教条主義というか原理主義というか、ほかのジャズやロックを受け入れなかった。今になって、そのマイルスもジミヘンもリアルタイムに聞いていなかったことが残念な気もするけど、時代の空気だったからしかたない。
ぼくは70年代後半にさしかかる頃、衰退するフリージャズにさっさと見切りをつけて、当時ニューヨークやロンドンで流行っていたパンクロックを聞き始めたんだ。パンクからニューウェイブロックを聞きながら、ジミ・ヘンドリックスやジム・モリソンなど、もう他界していたロック・ミュージシャンを聞き始めたんだ。
90年代はなんやかやとあって、音楽どころでなかった。2000年になって、フリージャズを知る以前に聞いていたハードバップをもう一度、改めて聞き始めたんだ。その流れで後期のマイルスを聞いてすごいなーといまさらながらに理解したんだ。
「マイルスの夏、1969」は6月28日、難波の845で開催。詳しくは公式サイトで。