ミロスラフ・サセックは世界の都市を描いた「ジス・イズ」シリーズが有名らしいけど、ぼくは知らなかった。シリーズの絵本を手にしてびっくり。大胆で繊細、緻密さのなかに温もりもある絵は一度見ただけで、たちまち虜になってしまう。子ども向けの都市の図鑑というか、地理の勉強になる絵本。でも、洗練されたページ・デザインはハンパじゃない。
日本語版の本書は2004年8月発行と新しいが、原書は1960年発行だ。ロンドン、ローマに次ぐ3冊目。
1626年、オランダ人がアメリカ原住民から格安でマンハッタン島を手に入れるところから、ニューヨークの説明が始まる。エンパイア・ステイト・ビルディングなんか、自動車がたくさん走っているビル前から、てっぺんまで一枚の絵。この大胆な構図にまず驚く。摩天楼の街並が次々と素晴らしいタッチで描かれてる。ニューヨークの人々の生活も。終わりの方のヤンキー・スタジアムの美しいことと言ったらない、ひたすら感嘆。
著者のプロフィールは「Utrecht[ユトレヒト]」サイトのUtrecht[ユトレヒト]|人物リストがお役に立ちます。
ジス・イズ・ニューヨーク
原題 This is New York
著者 ミロスラフ・サセック(Copyright 1960 by Miroslav Sasek)
翻訳 松浦弥太郎
発行 ブルース・インターアクションズ、2004年8月