ケイト・ブランシェット主演の西部劇『ミッシング』

2003年アメリカ映画、ロン・ハワード監督。主演はトミー・リー・ジョーンズとケイト・ブランシェット。この二人がいいので見応えのある映画だった。ケイト・ブランシェットが特に良かった。この女優さんはたくさん見ているわけではないが、とても気になる。

19世紀末のニューメキシコ州。マギーは医師をしながら、一人で二人の女の子を育てている。年頃の長女がインディアンを中心にした誘拐団にさらわれる。彼らは農場に押し入っては若い娘たちを誘拐している。女性たちをメキシコ人に売る金目当ての犯行だ。

映画の冒頭、一人のインディアンが治療に訪ねてくるが、実はマギーが子どもの頃に家を出て、白人なのにインディアンと暮らしていた実の父親(トミー・リー・ジョーンズ)だ。その頃の父親への憎しみを持ち続けているマギーは彼を許すことができない。

しかし、街の保安官が誘拐犯追跡に消極的なため、長女探索のために、やむなく父親の力を借りる。父とマギー、次女の三人が誘拐団を追う。娘たちをメキシコ人に売る前に見つけて、金で買い取る計画だ。

と、いうわけでアメリカ先住民と白人との根源的問題がテーマの映画と期待して見たが、はてが外れた。保守的傾向の強い立場から家族愛を描いた映画だった。誘拐団のインディアンは騎兵隊に雇われていた元隊員で、隊内で反乱を起こして逃亡中。騎兵隊の方は仕返しに彼らの部族を襲撃している。白人もインディアンもどっちもどっちという設定で先住民に気を使っている。騎兵隊員の乱れようも描かれていて、昔の西部劇ファンからは過剰な写実とも感じてしまった。

内容とは別にケイト・ブランシェットを見ている分にはある程度満足できる映画だった。ひたすら荒野を馬で移動するシーンは美しい。新しい感覚の西部劇映画に違いない。

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