アルバート・アイラー/マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー

Atomic の新譜「Happy New Ears!」を聞き、続けてこのアルバート・アイラーを聞いたら、今までになく、とてもいい音楽に聞こえて、ちょっと驚いてしまった。なぜでしょうね。このディスクは1曲のオリジナルをのぞいて他4曲はスタンダードナンバーというアイラーのアルバムとしてはとても珍しいものです。初期のアイラーで、デンマークのデビューレーベルからのリリース。ここからは他に「スピリッツ」と「ゴースト」がリリースされているのですが、ぼくはなんと、「ゴースト」を高校を卒業して就職した1965年に買って聞いている確かな記憶がある。でも、当時すごい安月給の中で、なぜ、アイラーのアルバムを選んだのか、確かな記憶はない。何か本ででも読んだのでしょう。

高校3年のときはジャズ喫茶に通い始めていて、アーチェー・シェップの「ファイアー・ミュージック」なんかをリクエストしている。始まったばかりのアヴァンギャルドなジャズに興味深々の少年がいたわけです。

もちろん、アイラーの「ゴースト」はぼくの胸に強い衝撃を与えるのですが、今から思うと、ドアーズやジャニス・ジョプリンでもよかったのかもしれない。ただ、それらのロックを知る機会がなかっただけじゃないかと想像しています。

でも、ぼくはアイラーだった。アイラーのサウンドは音楽以上の存在だったけど、それは60年代のなせる魔法みたいなものだったと思う。今まではそんな60年代をアイラーのサウンドの中に探し求めていたのかもしれない。最近は Atomic などを聞くことで、そんなノスタルジーが払拭されて、アイラーのサウンドと、とてもよい距離を保てるようになったのだと思う。

My Name is Albert Ayler
Albert Ayler, ss and ts
Niels Br?nsted, p
Niels-Henning ?rsted Pedersen, b
Ronnie Gardiner, ds
Recorded Jan. 14, 1963-Copenhagen

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カテゴリー: Music