スティーヴ・ライヒ/18人の音楽家のための音楽

フリージャズはこちらも聞こうという意思を持ってなければ、聞けたものじゃない。それはフリージャズに限らず、ビ・バップからのジャズ一般に大なり小なりいえると思う。それはジャズの本質がインプロビゼーションにあるからに違いない。インプロビゼーションはミュージシャンの意思そのものだとぼくは考えている。
ミニマル・ミュージックの方は、音楽を流しっぱなしで特にサウンドを気にすることなく何かをしている。演奏しているミュージシャンはジャズとは違った意味でとても緊張を強いられているとは思うが。

スティーブ・ライヒを知ったのは1970年代、入り浸っていた天王寺のジャズ喫茶「マントヒヒ」の大学院生のマスターに教えられた。同時に、バッハも教わった。フリージャズとミニマル・ミュージックとバロックが同居していた。当時はこのライヒの音楽もフリージャズやバッハと同様にうやうやしく拝聴していたものだ。長い曲だし、レコードをひっくり返す、半ば儀式めいた手間も必要だった。今は、CDとかiTunesとか・・・音楽の聞き方も変わっていく。

ながら聞きをしながらあらためて感じるけど、ライヒのサウンドが気持ちに合っている。80年代には同じミニマル・ミュージックのフィッリプ・グラスとブライアン・イーノのアンビエント・ミュージックなども聞いていたが、ぼくにはライヒがしっくりとする。

STEVE REICH
MUSIC FOR 18 MUSICIANS (1976)

STEVE REICH and MUSICIANS
Rebecca Armstrong, Marion Beckenstein, Cheryl Bensman Rowe sopranos
Jay Clayton alto, piano
Russell Hartenberger, Bob Becker, Tim Ferchen marimba, xylophones
James Preiss vibraphone, piano
Garry Kvistad marimba, xylophone, piano
Steve Reich marimba, piano
Thad Wheeler marimba, maracas
Nurit Tilles, Edmund Niemann piano
Philip Bush piano, maracas
Elizabeth Lim violin
Jeanne LeBlanc cello
Leslie Scott, Evan Ziporyn clarinets, bass clarinets

Recorded October 1996 at the Hit Factory, New York City