ビットマップフォントに想いをはせていたら、忘れていた SuperPaintなどを思い出してしまったのですが、もう一つ、強い印象が残っているものに Font/DA Mover があります。PSフォントやTTフォントは決まったフォルダに入れるだけで、マックが認識してくれますが、ビットマップフォントの頃はそんな簡単ではありませんでした。買ってきた市販のフォントはシステムに組み込んで使うようになっていました。その組み込み作業に Font/DA Mover を使ったわけです。
上が Font/DA Mover のアイコン、右がその作業画面です。残念ですがどちらもスクリーンショットではありません。ビットマップフォントの Fluent Fonts のマニュアルをスキャンしたものです。Font File をダブルクリックすると Font/DA Mover が立ちあがって、図の作業画面になります。ここでは、右側に Font File の中のフォントが表示されています。左側はシステムにインストールされているフォントです。Portland 24 というフォントを選択し、Copy ボタンをクリックすると、希望のフォントがシステムにインストールされます。これだけのことですが、ぼくはこれを理解し、使用できるようになるまでにけっこうな日数を要しました。その代わり、できたときの喜びは今でも記憶にあります。
ついでに、DA とはデスクアクセサリーのことです。確かシステム7になってマルチファインダー機能が搭載されるのですが、それまでのマックは一つのソフトしか立ち上げることができませんでした。それでは全く不便なのですが、アップルメニューから呼び出すデスクアクセサリーと呼ばれるたくさんのソフトがありました。ペイントソフトを使用しているときはデスクアクセサリーのエディタを立ち上げて文章を書く。逆にワープロソフトを使っているときはドローのデスクアクセサリーで図を書くなんて使い方をしていたのです。そのデスクアクセサリーもフォントと同じようにあらかじめ、システムに組み込んでおくわけで、それを Font/DA Mover で行ってたというわけです。
OS X に比べるとずいぶんと素朴な作業環境に見えますが、フォントを自分で管理していたというワクワク感は当時の方がまさっているように思えます。