カール・ドライヤー監督の映画『怒りの日』に感動

1943年作品。予備知識なしで見たが、すごい映画だった。何年か前のTV放映を録画していた。たぶん、魔女の登場する映画ということで、録画していたに違いない。カール・ドライヤー監督が映画史に残る重要な監督であることも知らなかった。また、イギリスの侵略からフランスを救ったジャンヌ・ダルクが魔女として処刑される一日を描いた『裁かるゝジャンヌ』は大好きな映画だが、それがカール・ドライヤー監督の作品だと、この『怒りの日』を見終わってから知って、感動がさらに深くなった。

美しい白黒の映像を見ていると、何本も見ているイングマール・ベルイマン監督の作品のようだった。ベルイマンがドライヤーの影響を受けているに違いないと思った。ルイ・マル監督の『恋人たち』のことも思った。ヨーロッパ映画の原点であるように感じた。

魔女裁判の行われていた時代の話。少ない台詞のなかで、緊張の張りつめたシーンが続く。父親のような年齢の司祭の元へ、後妻として嫁いだ若い嫁が、同じ歳頃の義理の息子を誘惑して恋仲になる。それを知って夫が死ぬ。葬儀の席で、姑は若い嫁を魔女として告発する。反論の機会を与えられながら、魔女であることを否定しない嫁の台詞がすごい。ただ、もう一度、よく見ないことには、理解できたとは言えそうにない。いまは、ただただ、すごい映画だと驚くばかりだ。

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カテゴリー: Movie