18日の深夜、友だちのDJさんにすすめられて一人で心斎橋のクラブへ行った。0時過ぎに入いるが人が多いうえに、すっかり盛上がってる。こんなんは初めて。そしてここは初めて行くクラブ。ズブロッカのロックを片手に後ろから眺めたが、メジャーな感じにちょっと違和感を覚える。Hellの出番の2時に合わせて、踊りながらジワジワとDJブースの真ん前に移動。ブースに入るとこから目の前で見てたけど、かっこいい。終始穏やかに笑ってる。初めて見るけど、とてもリラックスした風。
始まった、ヤバい。こんなんを聞きたかった。プレイしながら、体を左右に揺すってる。あ~、YouTubeで見たまんまやんか。感激。複雑なソウンドが組み上がって、すぐに体が反応する。フロアの盛り上がりもすごい。ブース前のオーディエンスに笑顔を振りまきながらも、次第にテンションが上がっていくのが分かる。彼のテンションが最高に達したときのサウンドと体の動きは忘れないと思う。ぼくはリズムについて行けず、凍り付いてHellの激しい動きを呆然と見つめた。この瞬間を体験できただけで、来て良かった。
4時半までのプレイだったけど、後半は前半に比べて単調。けど、ときおり繰り返されるサウンドの起伏に身体が鞭打たれるように反応した。2時間半を踊り通すなんてことはできない。途中、座ってサウンドに聞き耳を立てた。Hellのサウンドは、退廃的で耽美なヨーロッパ文化をバックグラウンドに持っていると感じた。若い頃に夢中で呼んだヨーロッパの小説を思い出した。トーマス・マン、ヘッセ、カフカ、グラッグ、バタイユ・・・。日本の作家なら三島か。今のHellのサウンドがあるなら、ヨーロッパには新しい作家も現れてるんだろうな。あー、小説が読みたい。