30日は心斎橋オンジェムのELEKTROJUNKIEに行ってきた。DJ T がムチャ良かった。ほとんど踊り通してたのに、そんなに疲れない。彼のビートに波長が合ってたんだと思う。ELEKTROJUNKIEは10月のDJ HELLに次いで2回目だった。ELEKTROJUNKIEってネーミングがいいよね。
10時過ぎに行ったけど、まだオーディエンスは少ないうえに、誰も踊っていない。ぼくも腰をおろしてDJプレイに聞き入った。0時を回った頃からドッとオーディエンスが増えて、一瞬のうちにフロアーがダンサーで埋まってた。
2時、DJ Tのプレイが始まった。背が高くて精悍な顔つき。黒のTシャツだが、DJブース前で良く見たら、バンパイアをモチーフにしたイラストが入っていた。なんやドラキュラ伯爵の末裔か・・・。精悍な顔立ちが伯爵をリアルに連想される。テンションが最高に上がったときは「血を吸ってくれ!」と思わず叫びたかった(笑)。
特長のない淡々としたプレイだったかもしれない(アンコールを除いて)。逆にそれが精神をかき立てて、踊らされていたと言えるかも。10月のDJ HELLも同じドイツ人だが、彼は退廃的で耽美な象徴主義的なサウンドだったと思う。DJ T はダダ以降のポップカルチャー色が濃厚だった。どちらも好きだが、DJ T のビートの方がノれた。
若かったとき、読書に耽る一時期があった。トーマス・マンからヘルマン・ヘッセ、ロベルト・ムジール、フランツ・カフカなどの小説からニーチェから、ヘーゲル、マルクス、エンゲルスの思想書まで手当たり次第に読んでいた。どこまで理解していたかは疑問だが、そんなことがあった。
DJ T のビートで踊りに没入しながら、そんな読書体験が無駄ではなかったと思えてきた。DJ T のサウンドを聞くためにドイツ文学や思想が必要だとは思わないが、過去の文学体験と現在のクラブ体験のつながりを感じる一瞬があった。この予想もしなかった出来事が嬉しかった。