ぼくはクラブ歴が浅いので、POWWOWはこれが2回目。噂を聞いてたけど、タイミングが合わずになかなか機会がなかった。前回、リニューアルしたクラッパーのPOWWOWが初めてだった。今回も妖しい魅力のフライヤーを見たら、行くしかないって気になった。
クラブへはいつも、1時とか2時に行く習慣だけど、この日は24時までに入ると安く入場できる。ちょっとあわてるように駆け込んだら、マシントラブルとかで待たされた。これが良かった。
入場の際、タイミングでぼくが最初に階段を降りた。ちょっとミーハーっぽいな、と照れながらドアを開けて驚いた。デコがヤバい。すでにDNTのDJが始まってたけど、フロアに人はまだ居ない。この状態でデコを堪能できたのはラッキーだった。後で、大勢の人の入ったフロアとは雰囲気が違ったからだ。
パーティはあっちこっちから照射するレーザー光がメタルなデコに反射して、めくるめく陶酔の時間が過ぎるだけだった。もちろん空間と時間を支配しているのは、CMTとDNTのDJだ。
ずいぶん前にクラブカルチャーの本『そして、みんなクレイジーになっていく―DJは世界のエンターテインメントを支配する神になった』を読んだ。フロアでは、DJは司祭だというようなことを読んだけど、なるほどと思った。POWWOWのCMTとDNTこそ、司祭とか導師といったものが似合いそうだ。特に、視覚効果がヤバいこの夜のPOWWOWではそれが強かった。
十代後半で、モダンジャズを聞いて、エンターテイメントじゃない音楽があることを初めて知ったわけ。それからは、フリージャズとかパンクロック、ミニマムミュージック、ノイズ・・・と時代の音楽をリアルタイムで聞いてきた。
聞く音楽をころころと変えてきたわけだけど、アーティストに、つねに司祭や導師を求めていたようだ。彼らの創り出す空間で、ぼくはビートと同期する刹那的な瞬間を求め続けているんだと、最近、感じていた。この夜はそれを強く感じる夜だったよ。
POWWOW DJz : CMT & DNT, DECO : ONA, LIGHT : YAMACHANG, SOUND : KABAMIX