2016/05/14 CHIMPO & JONNY DUB at circus

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2016/05/14 真夜中、”CHIMPO & JONNY DUB at circus” で遊んだ。夜のクラブ遊びは10年近くになるけど、この夜のパーティはちょっとしたカルチャーショックだった。

CHIMPOを紹介するサイトで、彼の音源はドラムンベース、グライム、ダブステップ、トラップ、ガラージ、ダンスホールにヒップホップとあった。これらの音楽にぼくは正直ほとんど無知だが、マシンガンのように繰り出されるその音源がぼくの魂を撃ち抜いていた。

5月になってからのまだ短いあいだに、DJ FUNK (Chicago)、DANNY KRIVIT (NYC)、Joris Voorn (Netherlands) そして今回の CHIMPO と JONNY DUB (Manchester)と無節操に聞きまくった(笑)。もう一人名村で聞いたMaya Jane Coles (London)も忘れられない。それぞれすべてのフロアが沸騰していたが、それぞれのオーディエンスが全く違った。で、同じCircusなのにフロアーは全く違って別のハコのようだった。

シカゴ・ゲットーハウスのDJ FUNKはつていけずに早々に逃げ出した。そのDJ FUNKとマンチェスター組は似てるといえば似てるのに逃げずにいたのは、DJ FUNKで免疫ができていたのかもしれない。だから、ぼくがマンチェスター組にカルチャーショックを受けたと言うのは、単に音楽性だけじゃない。フロアのダンサーたちを含めての違いだった。

まず、フロアは外国人オーディエンスがほとんどだった。90%ぐらいだったかもしれない。こんなのは初めてだった。そしてかれらの激しい踊りにぼくはビビった。ブロンクスのブレークダンスにせよシカゴのジュークの踊りにせよ、そこには規則性が読み取れる。しかし、CHIMPO と JONNY DUBで踊るダンサーたちは全く勝手気ままに激しく踊っている。個性的なんて上品な言葉は似合わない。そう、とてもアナーキーなんだ。無政府主義的だ。ぼくがショックを受けたのはここんところなんだ。彼ら、彼女たちのダンスを見ていると、音楽を聞くということの再発見があったわけさ。

もう一つぼくが涙が出そうなほど感動したのは、およそ、25年前に出会ったサイバーパンクの近未来小説『ニューロマンサー』(ウィリアム・グブスン)のバーのシーンが目の前で彷彿とさせてくれたことなんだ。それを読んだときはぼく自身ディスコを体験していたが、クラブは知らなかった。だから小説のシーンの情景をリアルに想像することはできなかった。それが、この夜のフロアで目の前で展開しているのがまさに小説のシーンだと妄想できて涙が出そうだった(笑)。リアルが近未来SF小説に近づいている・・・、いや、すでに今は近未来なのだろう。

マンチェスターのCHIMPO と JONNY DUBのことをぼくがカミさんにギャーギャーとわめくから、翻訳ミステリーファンの彼女はぼくにこれを読め!と3冊の文庫本を差し出した。ニコラス・ブリンコのマンチェスターを舞台にした暗黒小説で、登場人物の紹介を見ると、マンチェスターの不良少年が主人公らしくて、クラブ経営者やDJ、VJが主要人物らしい。これは絶対にヤバい小説に違いない。これを読めば、CHIMPOがマンチェスターのクラブでファンに煽っている様子がより分かるかもしれない。大阪のCHIMPOはMCで、何を言ってるのか全くわからないが「オオサカ」、「マンチェスター」そして「ヤバい」を連呼していた。