四方田犬彦著『ハイスクール1968』

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四方田犬彦著『歳月の鉛』(工作舎、2009年刊)がamazonから届いた。写真右隣の『ハイスクール1968』(新潮社、2004年刊)の続編。ハイスクールはおもろくて、おもろくて今2回目を熟読中! それで『歳月の鉛』も買ったんだ。どちらもamazonの中古本でけっこう安い。鉛の方はほんと久しぶりに買う工作舎の本。相変わらず気取った装丁、そのうえ本文のレイアウトもずいぶんとデザインしている。そのデザインが濃すぎてちょっと読みにくそう (^^;

しかし、四方田犬彦氏って今まで知らなかったけど、ムチャおもろい! ハイスクールは著者の高校時代を回想するエッセイ。1968年、氏の高校1年生の16才から70年までの3年間の回想。新宿のデモ、東大安田講堂、三島由紀夫などの時間を共有していたぼくは6才上なだけ。ここに登場する小説、映画、音楽などのほとんどをぼくもまたリアルタイムで読んで、見て、聞いている。

ジャズに関して言うなら、当時のフリージャズシーンのなかでアルバート・アイラーを聞くジャズファンはまれだっと書いている。これはぼくも大阪で実体験していたことだ。もちろんぼくはアイラーを聞いていた。四方田氏はアイラーに関して意気投合したのは、中上健次だけだっと書いてある。これでぼくは四方田犬彦は信用できると思った。

音楽を教養として聞くレベルではアイラーを聞けないと思う。特に若い頃は、音楽も映画も小説も人生を賭けるぐらいの意気込みで接しないと付き合えないよな。その点で四方田氏はすごい。ぼくは付き合い方が中途半端だっと氏の本を読みながら、つくづくと思わずにいられない (–;) いや、まだ遅くないと楽観的に言ってみる( ´ ω ` )

《追記》

ハイスクールを読んでいて上記の文章の間違いを見つけた。中上健次と意気投合したのは、ファラオ・サンダースと組んだ後期のコルトレーンのことだった。これだって、ま、アイラーと同じことが言えると思う。アイラーに関してはもっとすごいことが書いてあった。アイラーに出会った衝撃はセリーヌの『夜の果の旅』を読んだのに匹敵すると。
ぼくは『夜の果の旅』を70年代初期に読んだが挫折。阿部薫が読んでいると本人から聞いたからだった。その後、数年ごとに思い出したように読むがいつも挫折。ついに40年以上経った去年、やっと読了した。アイラー同様に人生を賭けるぐらいの意気込みでなければ読めない小説だった。中上健次の小説だって代表作を何度も挫折していまだに読了していない (;_;)