アン・リー監督『ブロークバック・マウンテン』(Brokeback Mountain)

ぼくはジョン・ウェインの出ている昔の西部劇が好きなんで、カウボーイの出てくる今の映画ってどんなかなーと軽い気持ちで見たんだ。そんな軽さを吹き飛ばすとんでもなく重い映画だった。1963年から20年間のアメリカ西部を舞台にマイノリティに厳しい現実を描いている。見た後に公開当時はとても評判になった映画らしいと分かったが、そんなことは何も知らないで見ていたからびっくりだった。大好きな映画、ウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス』と同じで、ムチャクチャにやるせない気持ちになった。今後何度から見るだろう。

あいつは俺の友達だった
あいつは道端で死んだ
いつも旅を続けていた
求めるものが得られずに
あいつは俺の友達だった
いつだって俺は金がなくて
いつも心が満たされなかった
でも あいつは俺の友達だった

と、映画の後のクレジットのバックに歌が流れた。身につまされる歌詞だったので一部を書き取った。主人公の青年は技術職カウボーイをやりがなら、生活に追われて仕事に人生のほとんどの時間を取られていた。そこんところがぼく自身とオーバーラップして身につまされた。
主演のヒース・レジャーとジェイク・ジレンホールが良かった。