大飯原発再稼働反対の最前線ライブ中継を見て

1日は昼から深夜まで大飯原発再稼働反対の現地からの【IW】チャンネルのライブ中継を見ていた。整然と整列している機動隊を前にして、パーカッションに合わせてダンスをしている人々に目が釘付けになった。そう、魂の音楽とダンスを見ていた。

頭で音楽を聞いている限り体は動かない。身にまとった鎧を脱ぎ捨てれば、魂がサウンドに反応して体が自然に動き出す。それが分かるのに、ぼくは数十年かかってしまった。世の中は富の配分を巡ってますます複雑化している。それに比例するように身にまとう鎧も重くなる一方さ。

再稼働反対をコールしながら踊り、音を出す人々はそんな鎧を脱ぎ捨てたシンプルな魂に違いない。彼らに対し賞賛と批判がツイッターで交差した。批判の中に、シンプルな魂に対する嫉妬と羨望が入り交じっているのを感じた。

物質文化の行き着いた果てが原発だと思う。物質文化を宗教に例えるなら、核燃料の入った圧力容器はまるで物質教の本尊のようだ。大飯原発再稼働反対の最前線は複雑な物質文化を守る側とシンプルな魂に回帰した側のせめぎ合いのように見えた。