うらたあつこ訳(ラトルズ、2008年10月発行)
イラストレータであり、作家であるアンナ・クララ・ティードホルムがスェーデンの昔話を集めて、彼女自身がイラストを描いた本。イラストは1ページ大のカラーだが、ユーモアがあり、独特のぬくもりがある。色調は少し暗くて、昔の森の雰囲気が伝わってくる。
お話は全部で、13編。どれも短いものばかりだ。むかしのヨーロッパはほとんど全体が森でおおわれていたという。スェーデンに伝わる、その昔々のお話だ。農民や木こりとともに王様や王女、姫に魔女や森の妖精のトロルなどが登場する。
王や王女といっても、豪華な存在ではなく、魔女やトロルもそれほどの悪でもない。一つ一つのお話もほんわかとしているものばかりだ。