マリー・ホール・エッツの絵本にはまっている。本書は、Gilbertoという幼い男の子が風とコミュニケーションしている姿を描いた絵本。登場人物はGilbertoひとり。風をゴム風船とか、干している洗濯物とか、風車とかいろいろなものの動きを通して、見る者にも感じられる。
この絵本のいちばんの特徴は紙だろう。薄茶色した、どこか懐かしい感じのする不思議な紙。鉛筆でサッサッと素描したあと、Gilbertoの髪は黒、顔とシャツから出ている両手が茶色に彩色されているだけ。もうひとつ、風を感じる物たち、風船とか洗濯物なんかが白く塗られている。この白の効果がたまらなくいい。『Play With Me』では幼い女の子に同じことをしていたが、本書の方が徹底している。