ミクシィをやめる前に読む本-トラブルを回避する69のツボ / 良く分かるミクシィ解説本

ミクシィをやめる前に読む本―トラブルを回避する69のツボ高橋暁子 著(双葉社、2008年10月発行)

「この本は、ミクシィが原因でトラブルが起きたことのある人、トラブルを恐れて使いこなせていない人たちのために書きました。」とまえがきにある。ミクシィに入ったばかりで、よく分かっていない人たちにもぜひ読んでほしい本だと思った。これからは、ミクシィについて初心者から尋ねられたら、この本を勧めることにする。

ぼく自身は熱心ではないがミクシィ歴は長い。熱心でないといっても、情報収集の大切なツールとなっているのでないと困る。同時にミクシィ文化に違和感を抱いていたりもする。本書で、この違和感について理解できた。使い方のテクニックなども随分と勉強になった。

本書はよくある取説の体裁を取っていない。69の質問に答えるというカタチだが、非常に読みやすい。読みやすいのに、文化という抽象的なことからテクニックまでが分かるからすごく優れた本だと思う。

文化面では、携帯電話とパソコンユーザー間でトラブルが起きていることの説明に納得した。そんな現場に遭遇したことはないが、何となく分かる。パソコンユーザーは年齢層が高めで、文章は長文で丁寧に書くことが多い。一方、携帯電話ユーザーは年齢が若く、文章は短く、必要なことだけを書くので、パソコンユーザーからはそれが失礼に見えることがあるそうだ。

ぼくなんか典型的なパソコンユーザーだと思う。1995年にネットを始めたが、その前からパソコン通信をやっていた。その頃は議論をしていた。反論の応酬もあったが発展的で前向きな議論も多かったので有意義だった。しかし、今はそれをしようと思わない。すごく時間を取られるからだ。今は、そんな時間も体力もない。だから、ミクシィでは、同じ考え、感じ方にしかコメントしない。反対意見はコメントしないことにしている。本書を読むと、それがミクシィということらしい。

短文での感覚的なやりとりが多いモバイルユーザーと、時に思考や論理を展開させることがあるパソコンユーザーの違いは、同時に男と女の相違へ著者はつなげていく。ミクシィ日記を不満のはけ口としている女性は多いが、女性はコミュニケーションに共感を求めるものだと言う。それに対して男性は発信や理解を求める傾向にあるそうだ。

いや、よく分かる。両者の溝の深さもよく分かる。ミクシィユーザーは女性の方が多い。モバイルとパソコンをページビューで比べると、モバイルの方が多い。ぼくが違和感と感じるミクシィの文化では、将来的にぼくは異端になっていくのだろう。ま、積極的にかかわるわけでもないので、異端というほどのことはないけどね。情報源として必要なので、大事にしたい。

著者ブログ
http://profile.ameba.jp/akiakatsuki/

投稿日:
カテゴリー: Web