フレディ・ハバード / Goin’ Up

Goin' Up若いトランぺッター、フレディ・ハバードの『Goin’ Up』は最初のリーダーアルバム『Open Sesame』から5ヵ月後の録音。同じ編成のクインテットだが、メンバーはがらりと変わる。ブルーノートの実力者が揃う。フレディ・ハバードとテナーサックスのハンク・モブレーがフロント。ベースにポール・チェンバース、ドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズ。ピアノのマッコイ・タイナーだけが、ブルーノートの付き合いが浅い。前作の『Open Sesame』にも参加していたが、こっちの方がずっといい。マッコイ・タイナーは、ジョン・コルトレーンのグループに参加したばかりの頃だ。

この『Goin’ Up』が60年11月6日、同月13日は、ハンク・モブレーのリーダーアルバム『Roll Call』、12月11日はケニー・ドリューの『Undercurrent』とレコーディングが続く。この3回ともハンク・モブレーとの2管フロントだ。

『Open Sesame』の時は、すぐ後にティナ・ブルックスの『True Blue』でティナ・ブルックスとの2管だった。ブルージーで憂いのあるサウンドがたまらなかった。しかし、ティナのジャズには先が見えなかったのかもしれない。

『Goin’ Up』はティナ・ブルックスとの演奏の前のアルバムと全く違う。前へ向いて突き進む、若くてアグレッシブなジャズがフレディ・ハバードとハンク・モブレーから聞こえてくる。2曲目〈The Changing Scene〉と4曲目の〈A Peck A Sec〉がハンク・モブレーのオリジナル。この2曲がいい。二人の呼吸がぴったりと合っている。最後のナンバーはハバードのオリジナルだが、前の2曲程に二人が合っていない。一曲入っているスロー・バラード〈I Wished I Knew〉もいい

Freddie Hubbard, trumpet
Hank Mobley, tenor sax
McCoy Tyner, piano
Paul Chambers, bass
Philly Joe Jones, drums
1960年11月6日録音
Blue Note 4056

《このブロブのフレディ・ハバード関連記事》
□フレディ・ハバード / Open Sesame 1960.6.19録音 Blue Note 4040
□ティナ・ブルックス / True Blue 1960.6.25録音 Blue Note 4041

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カテゴリー: Jazz