明るく軽快な1曲目の〈Back To The Tracks〉だが、ティナ・ブルックスの『True Blue』を聞いた後では、この明るさが意外。アルバムを通して軽い。だから聞きやすいのかも。でもやっぱりいいのは『True Blue』の方だよな。フレディ・ハバードと絶妙に合っていた。この『Back To The Tracks』のトランペットはブルー・ミチェル。ハバードに比べたら軽い、明るい。
ジャッキー・マクリーンがクレジットされているけど、2曲目の〈Sreet Singer〉でちょっとだけソロをとる。後の曲には出ていない。だから、このアルバムは実質、ブルー・ミチェルとディナ・ブルックスがフロントのクインテットだ。
録音日のこの日、ジャッキー・マクリーンのリーダー・アルバムも録られている。メンバーは同じだ。そちらは完全なセクステットだ。そして、ハードバップ。『Back To The Tracks』はハードバップを通して、ファンキーなプレイが、ブルースフィーリングいっぱいのサウンドが聞こえてくる。これがティナ・ブルックスだ。しかし、同じ日の録音でもジャッキー・マクリーンの『Jackie’s Bag』(Blue Note 4051)の方のテンションが高い。
好きなナンバーは3曲目のブルース〈The Blues And I〉。ティナのブルースはたまらない。ケニー・ドリューのピアノもムチャいい(この録音の3ヶ月後のケニーのリーダー・アルバム『Undercurrent』が素晴らしい)。ティナの曲は以上の3曲。4曲目の〈For Heavens Sake〉はバラード。そして〈The Ruby And The Peaarl〉。聞くのはティナ・ブルックスのオリジナルの3曲ばかり。
Tina Brooks, Back To The Tracks
Blue Mitchell, trumpet
Jackie McLean, alto sax
Tina Brooks, tenor sax
Kenny Drew, piano
Paul Chambers, bass
Art Taylor, drums
1960年9月1日録音
Blue Note 4052
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□ケニー・バレル / Blue Lights Vol.1(1958.5.14 Blue Note 1596)
□ケニー・バレル / Blue Lights Vol.2(1958.5.14 Blue Note 1597)
□フレディ・ハバード / Open Sesame(1960.6.19 Blue Note 4040)
□ティナ・ブルックス / True Blue(1960.6.25 Blue Note 4041)