クリスマス人形のねがい / バーバラ・クーニー絵の絵本

クリスマス人形のねがい (大型絵本)ルーマー ゴッデン著、バーバラ・クーニー絵、掛川恭子翻(岩波書店、2001年11月発行)

昨夜と言っても午前3時頃だけど、この数日、掛かりきりだった仕事が終わってホッとしたら、テーブルの上に置きっぱなしのカミさんの絵本が目についたわけ。なにげに読み始めたら、最後まで読んでしまった。バーバラ・クーニーの絵本は好きなので、たいてい読んでるけど、本書はクリスマスものの上に文章が多いので敬遠していた。

イブの夜に売れ残ったクリスマス人形のホリーとみなし子のアイビーがオモチャ屋のショーウインドウのガラス越しに出会い、お互いに惹かれ合う。互いに話ができるわけでない。それぞれが求め合うだけ。アイビーには買えるお金があるはずもなく、不可能と思われた出会いがクリスマスの日に実現するというストーリー。原題は「The Story of Holly & Ivy」。有名な賛美歌「The Holly and the Ivy」からとられたものだそうだ。

バーバラ・クーニーの絵はここでも素敵だ。イブの日、モミの木などを売る露店の市にアイビーが迷いこんだシーンを眺めていたら、幼い頃が思い出された。祖父が元気だった頃の生家の年末は親戚が集まっての餅つきなどもあって、毎日がとても賑やかだった。絵本と同じように、雪の降る中を松飾りなどを買う父に連れられて行った露店の情景が一気に目に浮かんできた。家を出てからは、そういった行事から縁遠いままだ。幼い頃の情景がまるで映画の一シーンのよう思われて、今では絵本と同じように、現実に起こっていたこととは感じられない。

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カテゴリー: 絵本