ねこくん、わが家をめざす / ケイト・バンクス文、ゲオルグ・ハレンスレーベン絵の絵本

ねこくん、わが家をめざすケイト・バンクスとゲオルグ・ハレンスレーベンのコンビによる2004年の絵本。

主人公のネコは海辺の町でおばあさんに飼われている。長いこと幸せに暮らしていたが、おばあさんが亡くなり、ネコは家財道具と共におばあさんの生家のある北の町に送られる。新しい町でネコは関心をもたれずに、いつしか野良犬に追われるノラネコになってしまった。

ネコは北の町に留まることなく、海辺の町をめざす旅に出る。裏表紙にネコが歩んだフランスの地図が描かれている。ネコが家財道具と共に送られたルーアンから始まってパリ、シャンボール、ブルゴーニュ運河、モン・ブラン、ポン・デュ・ガール、サント・ヴィクトワール山、そして地中海に面した南仏のサン・トロペに至る。

地図を見ていると本当の出来事のようだが、その説明はどこにもない。ネコが旅をできる距離とは信じ難い。でも、長い時間をかければありうるかな、と絵本を見ていると思う。ゲオルグ・ハレンスレーベンの描く風景の中にネコは小さく描かれている。ネコの孤独が迫って来る。でも最後はハッピーエンドで救われる。

今江祥智訳
BL出版、2007年3月発行

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カテゴリー: 絵本