この絵本を最初に手にしたときはほんとうにショックだった。絵本もここまでやるか、と思った。ストーリーと絵が渾然一体となって、不思議な世界を創りだしている。これはすごい。
ルーシーという少女が主人公。両親と弟と4人家族が丘の上の古い家に住んでいる。母親はインテリ風で、キッチンでジャムか何かの瓶詰めを大量に作ってる。父親は大きなチューバを吹いている。音楽家か・・・。弟はテレビゲームばっかり。
この家族の中でルーシーだけが、壁の中から聞こえる異音がオオカミに違いないと思い込む。他の家族はそんなルーシーの話を受け付けない。どうせネズムか何かだろうと思う。しかし、あるときオオカミが本当に出てきて、一家は一目散に家から逃げ出す。ストーリーは Neil Gaiman。
絵はコラージュ。写真やペン画、デジタル処理をされたらしい画像が複雑で異様なイメージを創り出している Dave McKean の絵。アマゾンで検索をするとどれも見たくなる本の表紙が並ぶ。
しかし、この水準のものが絵本という商品として成立する風土というか国民性は日本とはかなり違うと実感させられる。