原研哉のデザイン (IDEA ARCHIVE) / アイデア編集部編を眺めて

原研哉のデザイン (IDEA ARCHIVE)先日は原研哉さんの著作『デザインのデザイン』を読み、今日は本書を眺めたが、『デザインのデザイン』で得た感慨はなかった。本書で見られるデザインは、静謐というか中庸というか、何か高みへ突き抜けたような世界で、ぼくの生きる現場とは無縁のような気がした。デザインに驚きとか感動がない。たとえば、アヴァンギャルドとかアンダーグラウンドとかカウンターカルチャーとか・・・に無縁の世界で、ちょっと肩すかしをくらったように眺めていた。

でも、これって実はすごいことなんだと思う。こうした世界観をカタチにするのは簡単でないことは『デザインのデザイン』を読むとよく分かる。究極の大人のグラフィックデザインだと思う。

しかし、ご自身の著作の『デザインのデザイン』と本書の装丁は同じ装丁でも他と違うような気がした。両方ともご自身の手になる装丁だが、並大抵でない緊張感がみなぎって、ほとんどアートの世界に突入しているようにも思える。同じ装丁でも、他の人の諸作はここまでの緊張感はない。似ているようでも、あくまでも仕事の世界だと思う。ぼくはこの2冊の装丁がとても好きだ。

原研哉のデザイン (IDEA ARCHIVE)
編者 アイデア編集部
発行 誠文堂新光社、2007年4月

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カテゴリー: Design